開業当初、一番あれこれ考えたのは、クライアントさんがあおむけや、うつぶせになる時に、下に敷くものでした。
開業の1年前から考えていました。
野口整体系や、手技研関係の施術では、ベットは使いません。
たいてい、絨毯(じゅうたん)を白いシーツでくるんで敷物にしています。
施術の稽古では、畳の上で行いますが、これは稽古なのでしょうがないとして、
調子の悪い方が、じかに畳の上で寝るのは、どうもいたたまれない気がします。
また、これはあくまで私見ですが、絨毯に白いシーツは、なにか冷たい感覚がします。
技を受けた時に、手がかるく擦りむいたりする場合もあります。
ということで、開業当初は、敷き布団を白シーツでくるみました。
これは、私の田舎の布団屋さんに特注したものです。
ところが、
今さら言うのはなんですが、施術していて、どうもしっくりきませんでした。
休日に、同業の知人を招いて、彼の技を受けてみたところ、腰の部分が、
予想以上に沈んでしまうということが原因だとわかりました。
(なんとかフラットな状態になる敷物はないだろうか?)
それからいろいろ家具店などをまわりましたが、
これといったものとは巡りあえませんでした。
開業初期のころにいらした方はお分かりだと思いますが、
肩甲骨(けんこうこつ)の操作のときに、腕が布団に引っ掛かっていました。
当時肩甲骨の操作は、東京手技研でいう『平泳ぎ』という技を使っていました。
▲手技研 第3号 P75より参照
このように大きく腕を動かすので、
どうしても布団に引っ掛かってしまうのでした。
そこで思いきって布団を外しました。
絨毯だけにしたのです。
定期的にお体のメンテナンスで来室されているクライアントさん等から、
布団はどうしましたか?
と良く聞かれました。
「今、休暇をとらせています」
と答えたり、
「腕の操作のとき、布団に引っ掛かっりますので、しまいました」
と伝えました。
肩甲骨の位置がそろうと、腕ばかりか、両足まで揃うのです。
しばらく絨毯だけで施術していました。
が、やはり絨毯だけだと痛いというデメリットがあります。
また、万が一倒れた時のことがあります。
そこで、リハビリを行う際に、倒れても大丈夫なマットを絨毯のしたに敷くことにしました。
ちょうど午後いちで施術を行う寸前に届きました。
クライアントさんに、
「安全性と、痛くないようにするため、リハビリ用のマットを手配しました。
Kさんは、その記念すべき第1人目の方です。
今準備しますので、少しお待ちになってください」
すると、手伝います、とのこと。
模様替えは好きですから、との言葉をありがたく受けとめ、
二人して絨毯をひっくり返し、パズルを思わせるマットを組み立て、敷きました。
※Kさん、ありがとうございました。いつも一人で準備等していたので、二人で行うのは久しぶりで、うれしかったです。Kさんのおかげですごく良い一日になりました。
敷いたばかりのマットの上をKさんに歩いていただきました。
「歩いてみてどうですか?」
と、私はKさんに尋ねてみたところ、いつもとあまり変わらないとの返事が。
これには、私も苦笑するしかありませんでした。
しかし日が経つにつれ、マットもなじんで、
硬いながらも柔らかみを感じるまでになった。
さて、肩甲骨の操作ですが、おかげ様で私のレベルも上がり、
『平泳ぎ』を使わなくても、それ以上の効果がだせるようになりました。
そうなると、やはり寝心地の良いものが必要に感じました。
絨毯だと、どうしても寝心地に難があります。
生地の厚い絨毯にしようかとも考えました。
そのことを施術家の友人に相談したところ、
掃除が大変で、なによりも滑りやすくなって危険だとのことです。
毛先が短いのにすればいいのでは、とアドバイスをいただきましたが、
そうなると、どうしても薄くなり寝心地が悪くなります。
絨毯はあきらめ、今度はベッドマットに注目しました。
(腰が沈まないで、フラットな状態になるものはないだろうか?)
ところがなかなかありません。
柔らかすぎる低反発や、まったく弾力のないものかの2極で、購入には至りませんでした。
そんなことを施術研究会でこぼすと、
「それやったらエエのあるで」
と、一目置かせていただいている大阪在住の先生から、あるベッドマットを勧められました。
それはこちらです。
蒸れない すうぅ マットレス | |
by G-Tools |
値段は思ったよりしましたが、試しに寝てみると、体がフラットになり、
寝てて気持ちがいいのです。
また、寝返りも打ちやすく、熟睡できそうです。
値段以上の価値がありそうです。
( これだな )
瞬間的に思いました。
実は私は、恥ずかしながら寝相が悪く、朝起きると枕とは正反対に頭があることが多く、
寝返りの際目が覚めて、熟睡できないときがありました。
体調を良くするには、その日のうちに疲労を取り去ることです。
そのためには、疲労回復させるホルモンが分泌される0時〜3時の『前』に寝ていなければなりません。
これは疲労を回復し、痛んだ細胞を修復してくれる成長ホルモンは寝ていないと分泌されないためです。
私は、睡眠について前から研究していました。
結論から言えば、熟睡する条件として、寝返りが打ちやすい状態が良いのです。
さて、勧められたベッドマットは、高反発で、
この考えとマッチしていました。
低反発だと、どうしても寝返りしにくいのです。
さて料金ですが、3万円以上と高額です。
こんなに高い寝具を買うのは、正直言って初めてです。
ですが、『良いものを永く使う』というのが私のモットーでもあり、
何年かで買い替えるパソコンに較べれば、ずっと安いし、パソコンより永く使うものだし、何よりこれに横たわることにより、来室される方の体調がより良くなったらそれに越したことはありません。
技が決まりやすくなるのは間違いないです。
クライアントさんのためになります。
私は、施術院用と、自分が寝る用のふたつを購入しました。
そして、せっかくですので、シーツはシワになりにくいニューコットン生地のものにしました。色はもちろん白です。
定期的にいらしているクライアントさんから、
「あたらしい布団を入れたのですか?」
とよく聞かれました。
そして、寝心地が良い、寝やすいと、喜んでいただいて、
私もうれしくなりました。
お体の転換も楽にできるのが、見た目にもわかります。
硬いと痛いし、柔らかすぎても妙な力がかかるし、
難しい所ですが、このベッドマットは自然にできます。
クライアントさんがこのベッドマットに寝ると、フラットな状態ですので、
とても技がかけやすいです。
それに比例して効果も高くなっています。
良い買い物をしたなと思いました。
ちなみに私事ですが、
このベッドマットを使用してから、私の寝相はよくなり、
枕と頭が朝逆方向で目が覚めるということがなくなりました。
寝るのが楽しみになるほどです。
このベッドマットを紹介してくださった先生へ感謝しています。
ありがとうございました!