本格整体院高久 大泉学園店の高久(たかく)です。
月に一度くらいに、意識の高いクライアントさん達から、
「先生が一番影響を受けた本は何ですか?」
と聞かれることがあります。
そこで、私は、迷わず私の人生を変えた本をご紹介しています。
それは、哲学者・森信三先生の著書、『修身教授録』と『修身教授録 一日一言』の2冊です。
内容は、かつての大阪天王寺師範学校(現・大阪教育大)の3年生に向けた昭和12・13年度の「修身科」の授業の教授録です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コトバンクのよると、修身とは、
① 自分の行ないを正し修めること。 身を修めて、善を行なうよう努めること。
② 旧学制下の小学校・国民学校などで、道徳教育を行なうために設けられていた教科の名。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この本の内容は、昭和12年と13年度の授業記録です。
驚くのは、当時の検定教科書を用いず、森先生独自の修身に対する考えを授業として行なっていたということです。
それもクラスの生徒全員に授業ごと一人ひとりに口述筆記させて記録に残したのがこの本です。
こんなこと許されるものではないでしょう。
戦前の日本の学校教師は、上の命令に絶対服従の従順な方ばかりだと思っていたので意外でした。
万が一、文部省関係者に気づかれたらどうするつもりだったのでしょう?
森先生は、「その時は、辞表を出そう」と決意して臨んだ講義だったそうです。
そのため、なにか他の本と違います。
迫力がある、というか、言葉に生きた力があります。
以下、一部を抜粋します。
『神について何もぎこちない論証をする必要はありません。私たちが眠っている間の呼吸や血液循環一つをとってみても、五臓六腑の働き一つをとってみても、無限絶大な根本力というほかありません。結局かかる絶大な“力”によって支えられているのです。
私たちは“大いなるもの”に生かされているのです』
『みなそれぞれ“天から封書”を授かっているのですが、一生開かずに終わる人もあります。われわれ人間は大宇宙の意志によってこの世に生み出され、派遣されたものといってよい。いわば神様から賜っている“いのち”です。われわれ人間の、この世における第一の任務は、何ゆえ自分はこの地上に出現せしめられたのかを明らかにすることです』
私の母は、昭和10年生まれですが、よく猟奇的事件があると、
「今の若い人たちは、修身というのを学んでいないから自由過ぎて何をやったらいいのかわからないからおかしな事件ばかり起こる」
とよく言っていました。
修身というと古くさい戦前教育と私は思っていましたが、この修身教授録を読んで一変しました。
この内容を現在の学校教育に導入すると、自殺や変な事件は確実に減るのではないかと思うのです。
もともとこの本は、私はハガキ道の坂田道信先生に勧められたものです。
当時私が住んでいた秋田県に坂田先生が講演にこられたのがきっかけでした。
坂田先生は講演のなかで、
「良き人生にするには、良い本と出会わなければならない。それには、森信三先生の本を読むことです。森先生は西洋哲学と東洋哲学を融合させたすごい先生で京都大学の哲学科を一番で出た先生です」
と、独特の甲高い声で、力説されていました。
さっそく本を注文しました。
また、ポケットサイズでいつでも読める一日一言という本も勧めれ、同じく注文しました。
なぜ、感銘を受けたのかというと、当時、私はどう生きればいいかわからなかった、からです。
●生まれつきのWPW症候群という心臓病で、それも突然死する場合があるということ。
●経済的理由で手術を受けられなかった。
もっとも、当時は肋骨を切って、心臓の余分な配線を切り取る、ということで、絶対受けたくはありませんでしたが。
●足を一歩出したとき、椅子から立ち上がったとき、友達と鬼ごっこをしている最中に頻脈発作が起こり、そのたびに胸が苦しくなり冷や汗がでてこれで死ぬのかと毎回思っていた。
●学校でのリレーの最中心臓発作が起こり、スピードが遅くなり順位が下がり、同じチームの人たちから文句を言われた。
●私が生まれつきの心臓病だというのをまわりに知られるのが恥ずかしいので、黙って隠しているプレッシャー。
●なにかと下痢をする虚弱体質。
生まれてきた意味がないんじゃなかといつも思っていました。
そんな私に、電流が流れるような文章が体に入ってきました。
一日一言 P210より
十二月十八日
真に生き甲斐のある人生の生き方とは、つねに自己に与えられてるマイナス面を、プラスに反転させて生きることである。
なるほど!
マイナスをプラスに変えるようにすればいいのか。
弱い体を、強い体に変えるようにすればいいのか。
これからはマイナスをプラスにするように生きていけばいいんだ。
そんなふうに私は思いました。
ここから私の人生は明らかに変わっていきました。
私はこのように感じましたが、人それぞれで感じ方は違うと思います。
これらの本を読まれた方は、きっとご自身にとって私とは違った角度で良い影響を必ず受けるものと思っています。
ぜひご一読ください。
20代でこの本に出会えたことに感謝しています。