【前回の続き】
またしても指摘していただいたのは、初診のクライアントさんでした。
宮野智子さん(仮名•29歳女性 専業主婦)が、首と肩がすごくこって、左右に顔を少ししか倒せない、疲れがぬけない、とお見えになりました。
「それでは顎をつけてうつぶせになってください」
顎をつけてうつぶせになったとたん、痛い、とおっしゃいました。
「すぐに終ります」
そう言って私は、両足の曲がりの検査をおこないました。
そして、すぐに正座に戻っていただきます。
少し時間をおいてから、また先ほどの姿勢になっていただいて、
今度は両肩と背中の筋肉の検査。背骨がまっすぐかどうかの検査をおこないます。
( そうとう酷いな。 今までかなり辛かったのだろう )
あぁ、という苦しそうな声がしました。
「はい、今度はあおむけです。
これからは苦しい姿勢にはなりませんから」
両手の長さをみて、両足の股関節の硬さをみます。
検査終了。
整体施術にとりかかります。
「検査が終わりました。施術に入ります。
また、うつぶせになってください」
「今度は顎をつけなくてもいいので、楽ですよ」
宮野さんは、少し微笑みながら、ホッとした表情です。
うつぶせの状況を聞くと、楽ですとのこと。
安心しながら施術にとりかかります。
さて、私の施術は、呼吸を利用することが多いです。
うつぶせの施術がラストになり、
「はい、息を吸ってぇ」
そう声をかけると、なぜか宮野さんは、笑い出しました。
「どうしましたか?」
息を吸うことに、なにか笑える過去があったのでしょうか?
顔をあげて、宮野さんは、
「息を吸ったら、ティッシュが鼻を塞いで息ができなくなって」
と笑いながら言われました。
( なるほど、鼻で吸うときに、ティッシュも一緒に吸い込んだわけか )
きっと同じようなことが、これまでいらしたクライアントさんにもあったはずです。
私に遠慮しておっしゃらなかったのかもしれません。
ティッュの位置をずらしながら、これも対策が必要だな、と思いました。
その後も鼻で吸い込まないように、フェイスマットにギリギリ置くとかの工夫をしましたが、
顔をうずめると、ティッシュも一緒にずれるようで、うまくいきませんでした。
根本的に変えないといけないのを何となく感じていました。
( 同じようなことをH先生のところで違和感がなかったのは、施術時間が10分と短かいし、なにより息を吸ったり吐いたりの指導もなさらなかったからだろう )
とりあえず呼吸の指導はおこなわず、自由に呼吸されているのを測って技をかけるようにしました。
フェイスマットとティッシュの件は、いつも頭の片隅におきながら、
独自に首の痛みをとる施術の研究をおこなっていると、前々から疑問に思っていることにぶつかりました。
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