睡眠薬•36歳女性【症例】

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※ご本人より許可を得て掲載しています。

「実は、右肩が痛くて・・・」

と、相沢祐子さん(仮名)がいった。

庭の手入れをしていて、痛めたらしい。

専業主婦。

身長160センチぐらい。

肩までの巻き毛。

今まで他人に嘘をついたことのないような瞳。

相沢さんがいらっしゃると、施術院内に、

百貨店の化粧品売り場と同じ香りがひろがる。

 

私は、ただの筋肉痛と判断した。

右の肩を上げて捻ると、痛みがでるようだ。

施術終了後、

「あ! 軽くなりました。
痛くないです!
ありがとうございます!」

といって帰られた。

5日後、相沢さんは再びいらした。

「先生、また痛くなりまして・・・」

おかしい。

ただの筋肉疲労だったのだが。

まあ、こんなときもあるだろう。

「あ! 楽になりました。ありがとうございます!」

またしても、6日後、

「先生・・・、また痛くなりました」

相沢さんのお体で、気になることがあった。

筋肉がゆるゆるなのである。

普通、押すと跳ね返るものなのだが、押すとそのまま。

筋肉がくぼんだまま。

これは初回からなのだが。

筋肉に弾力がないと、良い状態を維持できない。

「夜、12:00前に寝ていますか?」

筋肉に弾力がない場合は、睡眠不足のことが多い。

相沢さんは、面長な顔にある、少し細めの眉をよせて、

「それが、眠れないんですよ・・・」

夜遅く、ネットでもされていらっしゃるのだろうか。

以前、同じような症状の方で、

人気アイドルグループのブログを、毎晩夜中の3時まで読んでいる方がいた。

当然回復は遅かった。

「じつは、うちで飼っているワンちゃんが、甘やかして育てたからでしょうか、あの子、夜中に私の布団に入ってくるんですよ」

「そのワンちゃんは、オスですか?」

「はい、そうなんです! 先生良くご存知ですね!何かみえるんですか!?」

私は、ジョークのつもりでした。

詳しく聞きますと、夜中の3時ごろに、決まって犬が布団に入ってきて、目が覚めて眠れないようです。

「ワンちゃんには悪いんですが、部屋に鍵をかけたらいかがですか?」

「それ前やったんですよ。そしたら吠えるし、爪でガリガリやるしで、大変でした」

「う〜ん、なにか無いですかね」

「睡眠薬つかいましょうか?」

「睡眠薬ですか」

私は勧められなかった。

睡眠薬は、最終的に脳がやられる。

睡眠に必要なメラトニンというホルモンが自分で作りにくくなるのです。

メラトニンとは、日中太陽などから体の中で生産されるホルモンです。

薬に頼らなければ、眠れなくなる。

「前にお医者さんからいただいたのがあるんです」 

私は難色を示した。

「先生!大丈夫ですって! 肩が回復するまでの間ですから!」

「わかりました。とりあえず、6日になると症状がでているようですので、5日以内にまた、いらしてください」

5日後。

なんと、すっかり弾力をとりもどしているのである。

この回復の速さはどうしたことだろう。

今度は7日後に来ていただくことにした。

7日後。

もうすっかり回復している。

筋肉の弾力は良いまま。

これで大丈夫だ。

やはり睡眠は大切なのだと思わずにはいられなかった。

睡眠薬を飲みながらでもこんなに回復するのなら、今後、同じようなクライアントさんがいらっしゃったら、回復するまで服用していただくのもいいのかもしれない。

そんなことを考えながら施術をしていると、相沢さんが、

「先生!ぐっすり寝ることって大切なんですね!

体がよい方向に向かっているのを実感できます」

それは、なによりです、と噛みしめるように私は言ってから、

「ところで睡眠薬を常用すると、頭がぼ〜っとしませんか?」

と尋ねると、相沢さんは笑いながら、

「先生! 睡眠薬を飲んでいるのは犬の方ですよ!

晩ごはんに混ぜたらすぐ横になって、

昼ぐらいになってもまだ起きないんですよ」

小動物へ人間が使用する睡眠薬を使用すると、亡くなる危険性があるので、中止するように勧めました。

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