東京都練馬区にある、最後に選ばれている整体院、本格整体院高久 大泉学園店・院長の高久(たかく)です。
ちょっと後悔、というほどのことではないのですが、これをもうほんの少し研究してもっと早く氣がついておけばよかったな、と思うことがあります。
それは陰陽論(いんようろん)という東洋哲学です。
20代のときに初めて知りました。
陰陽論とは単純ですが難しくて、私なりの解釈ですが、この世は相反する物が同時に存在しているという考えのようです。
太陽と月、男と女、光と陰、大きい小さい、速い遅い…etc
すべてはバランスで出来ている。
そして、それらは人の解釈が入らない限りは良いも悪いもなく中立である。
という考えです。
私なりに氣づいたことですが、実はこれらは、人生も一緒のようです。
私のプロフィール欄で高卒でスーパーの店員になり、ひどい腰痛のままま仕事をしていたエピソードを書きましたが、あのとおり虐められていました。
生まれつきの心臓病で仕事中頻脈発作が起こってしゃがんだり、高校3年のときのギックリ腰の症状が治らず慢性化して、腰が背中が首が痛くて思うように動けなかったのが大きかったのですが、それとは別に、上司がわざと仕事を教えてくれなかったのです。
本当になんにも教えてくれませんでした。
同時の私の上司Aさんは、仕事のやり方を聞いても、「後で教える」といって結局教えてくれなかった。
教えてくださいと頭を下げても無視でした。
そしてある日やってみろというのです。
当然失敗しました。
そして、バックヤードで社員の人やパートの人たちが集まっているところでわざと、
「高久また失敗したよ」
と声を裏返らせて、どのように失敗したか詳細をまわりに教えるように怒鳴り散らします。
まわりはシーンとして、私たちのやりとりを耳を澄ませて聞いているのが感じ取れました。
腹がたったし、恥ずかしかったです。
毎日毎日でした。
上司Aさんと出会ってから私は、他人にできないところを指摘されると、ビクッとして体が硬直し、頭がキューっと締め付けられる状態になって何も言えなくなるか、指摘した人物に攻撃的な言い方をするようになってしまいました。
ここまでは私の主観的にですが陰、つまりマイナスな現象といえますね。
しかし、同時に陽が発生していました。
ある仕事帰り、わたしは本屋へ駆け込んだのです。
こんなところにいたのでは気が狂ってしまう、なにか方法はないだろうか、
そんな思いで、どう生きていけばいいのか参考になる本はないかと探しにいったのです。
そこで人生論に関する本を手当たり次第に読んだ中で、
ホンダ技術研究所の創立者である本田宗一郎氏の【得手に帆あげて 本田宗一郎の人生哲学】という本を見つけました。
結論からいうと、
『自分の好きで得意なことを仕事にし、失敗を恐れずに挑戦せよ』
という内容でした。
そこから私は自分の好きで得意なことについて真剣に考えるようになりました。
つまり上司Aさんは、私に真剣に人生について考えるきっかけを与えてくれた恩人だったのです。
さてここで、逆側の陽の状態を考えてみましょう。
上司Aさんが正反対の人だったらどうなっていたのか。
もし噛み砕いて親切に1から丁寧に教えてくれる人だったら。
「高久はここができないから、みんなで協力してくれよ」などと言われていたら………。
きっと私は、
(こんなに丁寧に教えてくれたのだから辞めないで定年まで勤めよう)
と、思ったことでしょう。
私は自分でいうのはなんですが、非常に義理堅いタイプの人です。
さて、ここで陰の考えですが、そうすると、どういうデメリット・マイナスがあったでしょうか?
優しく丁寧に上司が皆が一丸となって私に仕事を教えて支えてくださっていたら定年まで勤めていたことでしょう。
そうすると、ずっと秋田県の田舎にいて、私が好きで得意な整体に舵を切れなかったに違いありません。
もし神様が来て、人間関係も設備も素晴らしい環境にするから、ずっと秋田県でスーパーの店員をやっている自分に戻ってみるか、と誘われたら断ります。絶対に。
現在の方が自由だし仕事はとてもやりがいがあるし、幸せを大いに感じているからです。
今の現実を作ってくれたのは、あの上司Aさんが一助になっているのは間違いありません。
できないじゃないか!と言われて傷ついていたことが実はプラス、陽の面があったのです。
そのおかげで現在、私は私らしい人生を送ることができています。
また皆の前で、理不尽で恥ずかしい思いをしたから、私はスーパーを気兼ねなく辞めることができました。
辞めるときは罪悪感がなく、とてもスッキリとした胸がすく思いでした。
上司Aさんは、私が辞める時、
「俺を恨むなよ。俺も入社して2年はおまえにやったようなことをずっとやられていたんだ」
といわれました。
負の連鎖のスーパーマーケットだったようです。
こんなところにいて幸せになれるはずがありません。
この言葉を聞いて、本当に辞める決心をして良かったと思いました。
あの上司Aさんは、【ここはおまえのいる所じゃないよ。他にいい場所があるよ。】と教えてくれていたのだと感じています。
後年、このスーパーマーケットは業績不振で大手スーパーマーケットから買収されました。
こういう最悪ともいえる環境にいたせいで、自分の特性がわかりました。
・無駄にペコペコ頭を下げることが苦手
⬇︎
・自分がみじめになる仕事はやりたくない
・対等に相手と接する仕事が向いてる
・上司の機嫌を取るのが下手だし、それをするとミジメに感じる
⬇︎
・上司のいない環境が良い
・自分で起業すればよい
・定価で商品が買えないほどのずうずうしい生活困窮者を相手にするのは嫌だ
⬇︎
・ちゃんとした経済力のある人と接する仕事が向いてる
・単純作業をしていると眠くなりバカバカしくなってくる
⬇︎
・自分で考えロボット的ではなく、自分の意思で動く仕事が向いている
・自分から物を売るのは苦手
⬇︎
・向こうから欲しいといわれる状態の仕事が向いてそうだ
このように自己分析することができました。
こういう分析をすることが出来たのも、上司Aさんのおかげです。
後年、上司Aさんが40歳そこそこで脳梗塞をわずらい、半身不随になったことを知りました。
私は若かったので、
(ザマアみろ。天罰だ)
と思っていましたが、陰陽論の本当の意味を知った今は違います。
私の人生をプラスの方向に大きく舵を切るきっかけを与えてくれた大恩人だったのです。
だからAさんにはとても感謝しています。
これに氣づいてから、他人にできないところを指摘されても、ビクッとして体が硬直しなくなりましたし、キューっと頭が締め付けられているような状態になり何も言えなくなるか、反射的に指摘した人物に攻撃的な言い方をするようになっていたのも無くなりました。
自然に、
「具体的に教えていだけますか?」
と聞けるようになっていました。
また、できないところがあっても、怒る人ばかりではなく、一緒に考えてくれる人がいる現実を知ったのが新鮮で感動しました。
一見怒りや落ち込んだりする出来事のなかには、それとは正反対の出来事が同時発生している。
という陰陽の法則に、せめて30代で氣づいていたら、これまでいろいろ落ち込んだり悩んだり無駄なエネルギーを使わず、もっと素晴らしい人生を歩んでいたのに、と思う時があります。
しかし今が一番若い時です。
今から一瞬一瞬を大切に過ごそうと思って行動しています。
もしあなたが今、困ったことやトラウマになっていることがあったら、以下のことを試してみてください。
1.その出来事で自身にメリット、プラスになったことを紙に書く。
これは必ずあります。
一方的に良いことや悪いことはありません。
2.その困ったことやトラウマになっている出来事の正反対の最高のプラスの状態を想像して紙に書く。
3.2の紙に書いたプラスの状況でのデメリット、マイナスなことを紙に書く。
これで陰と陽が相殺されて中庸になります。
中庸の気持ちになるとなぜか感謝の気持ちが湧いてきます。
感謝の気持ちが湧いてきたら、トラウマは消えています。
もうその出来事で足を引っ張られなくなっています。
この記事があなたの人生にとって良きものであることを祈っています。