なぜ一流と言われた施術系の方々はおなかに注目していたのだろうか。
興味を持った私は、おなかについて調べてみました。
するとおなかに刺激をいれる効果を本に残している先生がいたのです。
その先生は文政、なんと江戸時代の方で、名前を太田晋斎(おおたしんさい)先生といいます。
本の名前は「按腹図解(あんぷくずかい)」。
それには、
「元気の溜滞を活発にし、臓腑を和らげ、気力を盛んにする」
と、按摩の効果をくわしく書かれています。
私は感動しました。
はるか江戸時代に人間の体はどうすれば元気になるのかを研究し、
紙という媒体が貴重な時代に本として残しているのですから。
さて、本にはおなかにあん摩する方法がかなり書かれています。
『臓腑を和らげ』という文章からも、おなかの疲れや、こりをとれば元気になる、
というコンセプトが伝わってきます。
われわれの手技療法は、多数の人体実験からなりたっています。
おなかを身体調整のポイントとして、多くの効果があったようです。
そうでなければ本には書かれないでしょう。
さて、おなかですが、ある療法では『活点』と名付け、やはり体の急所と考えています。
まだ修行したてだったばかりの私は、変に刺激をいれて具合が悪くなったらたいへんだと思い、
おなかに刺激をいれるのをためらっていました。
しかし、おなかについていつも考えていたので、ついに自分の体を使って実験することにしたのです。