高田の馬場より、水原優菜さん(仮名•26歳女性)がお見えになりました。
百貨店に勤務されているのですが、疲れ過ぎて立っていられなくなるのだそうです。
夜寝れない、背中、腰、首、肩がこっていて苦しい、というのがカルテに書かれています。
半年前に、事務から現場の販売に配置転換になったとも言われました。
立ちっぱなしで、なれない仕事に苦労されている様子が伝わってきます。
それは、水原さんの立っている姿勢を見てでした。
一目みて、かなり疲労しているのがわかるぐらいなのです。
「もう疲れて体が重いし、寝ても、全然疲れがとれないんです…」
と、辛い様子です。声にも力が感じられません。
声が裏返っています。
「息も苦しいし、肩も首もこってもうどうすればいいかわからないです…」
ここまで歪んでいると、全身の筋肉が倒れないように力をいれますので、当然といえます。
「それでは施術前の写真を撮影しますので、こちらに立ってください」
と声をかけると、
「………背中が苦しくて、まっすぐ立てないんです。仕事中も休めの姿勢で、片方の足を大きく広げたりしているんです」
「つらいでしょう。かなり歪んでますからね。
すぐ終りますから、両足のかかとをくっつけたままの姿勢で立っていただけますか?」
そう伝えて、私はシャッターを押しました。
立つのが終ると解放されたような、ホッとした表情です。
瞬間軸調整を行った後、検査に入ります。
うつぶせになっていただいて、両足を曲げます。
右足が曲がりにくいようです。
右足に重心がかかっていて、歩くときや立っている時に右足で踏ん張っているようです。
次に腕の長さの検査に入ります。
あおむけになっていただいて、力をいれないで両手を伸ばします。
左腕が短いです。
これは、左側の背中と腰の筋肉が硬くなっていると考えられます。
私はこのような検査をして、それぞれに合った施術を組み立てます。
施術中、うれしそうな声で水原さんが言いました。
「だんだん体がほぐれていくのがわかります」
水原さんの声に力が感じられるようになっています。
そして、整体施術終了。
確認をします。
まず両腕の長さ。
両手の長さがそろいました。
これは、左側の硬かった背中の筋肉が柔らかくなった証拠でもあります。
次に両足の曲がり。
このように、手と足の左右差が無くなりバランスがとれるとどうなるのでしょうか?
「それでは、ベッドから降りて歩いてみてください」
ゆっくりと降りる水原さん。
「あ! 軽い!! あ〜〜」
歩いてからも、軽いを連発されます。
「それでは、また最初のときのように写真撮影します。
今度はきちんと立てますか?」
はい、という明るい声が返ってきました。
「あ〜いままでいろんなマッサージや整体に行っていたんです。
もっと早くここを知ってれば良かった!」
声が裏返っていますが、これは、水原さんの地声なのだとわかりました。
とてもキーの高い、聞き心地の良い声です。
私はこの言葉を聞いて、まじめに整体を追究してきて良かったと思いました。
次回は、1週間後にいらしていただくように伝えました。
2回目にいらしたときに、水原さんは、
「あれから疲れ方が違ってきました。
前は、ずぶずぶ沼に沈むように疲れがたまって体が重くて動くのが嫌になるぐらいでした。
でも、やっていただいてから(整体施術)さわやかな疲れかたに変わってきました」
私は、うれしい気持ちを言葉にしてから、それは、水原さん自身に回復力があるからですよ、と伝えました。