品川区から由比睦美(仮名・30歳)さんがお見えになりました。
現在妊娠8ヶ月目で、両足がむくみ、朝背伸びをすると左の足がつるそうです。たまに右足もつるとのことです。
施術申し込み書には、他にだるい、疲れやすいと書かれています。
上体が左に傾いています。
左足に負担がかかっているのがみてとれます。
これが左足がつる原因のひとつです。
左の肩が下がっています。
そして上半身が右にねじれています。
むくみは主に体液をろ過する腎臓と関係がありますが、ねじれるとその腎臓に負担がかかるといわれています。
むくむということは、循環が悪くて、体液が重力に引っぱられて下半身に集まることが多く、ほとんどの場合足にきます。
足にくると動きにくくなります。
動きにくくなると疲れやすくなります。
申込書に書かれてある症状がでる姿勢をされています。
さて、施術の前の検査です。
私は施術で一番大事なのは検査だと思っています。
妊婦さんなので、うつぶせの検査はできませんが、仰向けでも左右どちらの足に重心がかかっているのか、左右どちらの股関節が硬いのかがわかります。
私の見立てでは、右足に重心がのって、左股関節が硬くなっていました。
通常であれば左足に体重がかかっているものですが、右足に体重が乗っているというのは、上体を左足で支えきれなくなって、右足でかばっているのです。相当辛いのがわかりした。
さらに仰向けになっていただいて、ゆっくり両手を上に伸ばします。
すると、左の腕が伸びづらくなっています。
これは主に左の背中の筋肉が硬くなっている状態です。
なので、立つと左の肩が下がっているのです。
(2歳のお子さんがいて、抱っこしたり中腰で作業することが多いとのこと。これでは辛いに違いない)
Uさんが具合が悪くなり、動けなくなったりしたら、お腹にいるお子さんはもちろん、2歳のお子さんにも、旦那さんにも悪影響がいくのは間違いありません。
ある施術家の言葉を思い出しました。
『施術家が一人生涯を全うすると、10万人以上の人が救われる』
クライアントさんの症状が楽になると、まわりの関係ある人も楽になる。という意味だと私は考えています。
そんなことを思いだした後、施術に集中しました。
まず、症状のある下半身をほぐします。
次に無痛で手技研系の技で、体をまっすぐにします。
体をまっすぐにすれば、無理のかかっていたところに無理がかからなくなり、回復力が上がります。
日本で古くから伝わるバランスをとる技は、これは腰に効くとか足に効くとか、手に効く、ということはありません。
どんな技を使用しても、手と足の歪みがそろい、左右差がなくなり、体がまっすぐになります。(※個人差があります)
また、まったく無痛なので、妊婦さんはもちろん、高齢者の方にも安全安心の施術法です。
「立って歩いてください」
ひととおり施術を終え、私は伝えました。
Uさんは、おっかなびっくり歩きだすと、やがてスイスイ歩くようになりました。
左の傾きがだいぶ改善されています。
「すごく軽いです」
驚いた顔で、うれしそうです。
施術後にクライアントさんのうれしそうな顔を見るのは、何回見ても気持ちがいいです。
「むくみはどうですか?」
「今はないです」
「足の付け根はどうですか?」
「苦しくないです」
「足がつる感じはどうですか?」
「日中はつらないんですが、朝つるんですよね。寝て伸びをしたときにいつも。とくに左側に」
これは、明日の朝に確認して頂くよりありません。
私は捻れが気になるので、できれば5日以内にいらっしゃるように伝えました。
4日後にMさんは来室され、
「あれから朝足がつらなくなったし、むくまなくなりました。普通に生活できるってこんなにも楽なんだなと思いました。不思議ですね。ありがとうございました。ここが実家の近くで助かりました」
と、大きな声で教えてくれました。
整体を受けたのは初めてだそうで、その後も「不思議ですね」と連発していました。
私は、今まで真面目に整体を研究してきた甲斐があったなと思いました。
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