去年の暮れに、腰痛で来室されていたiさんが、
「先生、おかげ様で腰はすっかり良くなりました。今日は母をお願いします」
と、お母さんのHさん(埼玉県入間市・70代女性)を連れてお見えになりました。
私は、iさんの母親であるHさんへ、問診を行いました。
お若いころ農業をしていたそうです。
それが、3年前に右足に激しい痛みがでて、それいらい腰が曲がったままだということです。
整形外科、接骨院、あん摩、マッサージ、はり、整体にいっても思ったような効果が感じられず、今は近所へ歩く時は杖をついて、買い物に出かけるときには乳母車を押しながら出かけるそうです。
今現在は両足首がとにかく痛くて、まっすぐに立てないと言われます。
もちろん首・肩・腰も、背中も痛いとのこと。
どこに行っても年だからと言われるそうです。
くわしくお訊きしますと、お年寄りのコミュニティに所属しているのですが、足が痛くて、まわりに迷惑をかけるので、旅行に行かれないとのことです。行きたくても行かれないとおっしゃっていました。
また、会合などでも正座ができないので、正座できるようになりたい。とも言われた。
施術前の写真を撮影しました。
体が前に倒れ過ぎているので、これでは足首がかかるので、両足首が重く痛いというのはわかります。もちろんこれ以上前に倒れないように、首・肩・腰も、背中に力が入るので、痛くなったり苦しくなったりします。
撮影が終ると、Hさんは、
「先生黙って立っているだけで足首が重くて痛くて前の障子に手をかけようと思ってました」
と言われました。
整体施術にとりかかります。
最初の検査ではうつぶせになることが難しく、胸の下に胸当てを置いての検査になりました。
施術が進むにつれ、寝返りもいくぶんスムーズになっていくのでした。
施術を終え、立っていただくように声をかけました。
娘さんであるiさんが、
「あら、お母さん………。まっすぐになったわね」
と少し驚かれていました。
施術前→→施術後
歩いていただきました。
姿勢がまっすぐのまま玄関の方へ歩かれます。
「足首の感じは、先ほどと比べていかがですか?」
Hさんは、
「あら痛くないですね。黙って立っていても痛くないです。写真を写してもらっているときは痛くて、障子に手をかけようと何回も思ってました」
と答えられました。
前傾姿勢ではなくなったので、足首への負担が減ったので、痛みや苦しさから解放されたようです。私もうれしくなりました。
この結果は、私の技術よりも、Hさんが仲間うちの旅行に行きたいという気持ちが好結果を招いたのだと思います。