7月31日、5回目の整体施術。
もうOさんも、A子さんも、初回のような緊張と不安の混じった顔ではない。
リラックスした表情。
特にA子さんはどこかに遊びに行きたいような雰囲気。ここではなく、別のところへ行きたい、そんな雰囲気だ。
「どこか痛かったり、苦しいところとかある?」
私はA子さんに訊いた。
どこも痛くないという。前回の筋肉痛もないという。
首の検査をした。顔は前回同様、きちんと上を向けることができる。全身のコリも無くなっている。
子供の回復力には驚かされる。
私は、一通りの全身調整を行った。
「バランスが整っていますし、もう大丈夫です。また何かありましたらいらしてください」
と、私は伝えた。
Oさんのうれしそうな笑顔。
A子さんは、ありがとうございました、と大きな声でいった。
お二人が帰ってから、私は玄関先で立ちつくした。
頭のなかで、この整体施術に対する大先輩方の思いというか、なんていうか。そのようなことが渦巻いていたのです。
『手と足の左右差をなくせば体はまっすぐになる』という考えを残して下さった先人、それを引き継いで発展させていらっしゃる施術家の先生方への感謝と畏敬の念を覚えずにはいられなかったのです。