「感じて下さい」

整体の創始者、野口晴哉(のぐち はるちか)先生が創設された整体協会。

私はその組織のなかにある『身体教育研究所』という所にほんの少しの期間在籍していました。所長は晴哉先生の御子息である野口裕之先生です。

ある稽古で、責任者のS先生に質問したことがあります。

するとS先生は、

「感じて下さい。我々は訳の分からないことをやっているんです」

と言われました。

整体の稽古は『内的同化感覚』という感覚を研ぎすますものばかりです。

つまり相手と同じような感覚になる、ということです。

稚拙な考えの私は、具合の悪い人と同化しては危険なのではと思っていました。

不思議に思われる方が多いと思われますが、あえて書きます。

実際施術の現場で、膝が痛い人を治したら、こちらの膝が痛くなったり、みぞおちが痛い人を治したら、やはりこちらのみぞおちが痛くなったりと、痛みが伝染することがあるのです。
私だけでなく、当時御世話になっていた施術院の先輩方も同じようになられていました。

そのような事実から病んでる人と同化するのはまずいと思ったのです。

それに対してのS先生の答えは「感じて下さい」でした。

当時は、「感じる」ということについて「自分で苦労して見つけなさい」という意味なんだと思いました。

少し経って、苦労することに意味がないというのがわかりました。

たとえば「今苦労しなさい、あとでいいことが起こるから」という人がいます。
そう言われる方は、例外なく現在も苦労しています。こういう方が、あなたのまわりでいませんか?

私は苦労するより、楽しさや気持ち良さを磨いていった方が伸びると思うのです。

やがて感じるの意味は、「五感をフルに使って感じれば無心になれる」というのに変わりました。
この方が施術をしていて気持がいいです。

ところが、つい昨日、相手を感じることが非常に大事だと痛感する出来事が起きました。
「感じて下さい」をいわれてから、もうかれこれ6年目になります。

これは感覚的なもので文章に起こすのは難しいです。

あえて書くなら、受け入れてもらうとその問題は解決し、次に向う意欲が湧いてくる、というものでしょうか。

感じきれば良かったのです。

中途半端に途中で、(ああ、この人はこういう人か)と勝手に思っていたからおかしなことが起きていたのだと思います。
感じきれば妙な影響を受けることはないのですね。

自分を変えるのは時間がかかりますが、時間なんてあっというまですね。

自分で言うのもなんですが、今日の施術はこれまでと時限が違うようでした。

クライアントさんたちも、いつもと違いますね、といいます。
やはり人というのは、お互い感応しあうようです。

整体協会の稽古の目的はこれだったのかと思いました。

これは言葉での説明は難しかったのでしょう。

今日も歩くと股関節が痛い、病院ではどこも悪くないと言われたが右の足首に違和感がある、会社では無理に明るく接してるが夜になると不安で眠れない、頭痛で薬を飲んでも効かない、背中の左側が座っていてもこる、右に顔を向けない、左肩が何をしているのでもないのに痛い、という方々が見えられたが、症状が伝染するということがありませんでした。

また、相手を感じると、いわゆる空気が読めないなどということが無くなります。正直今まで相手から影響を受けないように壁を作っていました。話を聞かないというか。

同化すると、一人で施術している状態から、クライアントさんと二人で施術している感覚が生まれてきます。

整体協会は一度退会すると、再入会はできない決まりがあります。
S先生に手紙を書こうと思っています。

↓いつも応援ありがとうございます。時間はかかりますが、自分でつかみ取ると達成感が生まれますね。

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