立ち姿勢について、いろいろ調べていましたが、これといってピンとくるものがありませんでした。
立ち方のセミナーに、身銭をきって参加しましたが、得る物はありませんでした。
「胸を張った状態がいい」というセミナーもあれば、
「昔の日本人は胸を張っていなかったので、張る必要はない」
というセミナーもあり、どちらも参加しましたが、
私の問いに対する満足な答えはどちらにもありませんでした。
「天井からピアノ線で吊るされたような意識で立ってください」
と言われても、天井からピアノ線で吊るされたことがないのでわかりません。
こうなると時間とお金の無駄です。
それ以来、セミナーに参加する時は講師のプロフィールを徹底して調べて自分で納得してから参加するようになりました。
この腰を立てることは、意外なことから知ることができました。
ハガキ道の坂田道信先生の講演で、哲学者の森信三先生を知り、
さっそく本を購入しました。
「人生二度なし」森信三の世界
神渡 良平
そこに、立腰教育というのがあり、尻を突き出して引いて腰を立てると丹田に力が入り、落ち着いて腹のすわった性格になれる、という趣旨のことが書かれてありました。
さっそく実行しましたが、やはり首、肩にちからが入ってしまいます。
本だけでは限界があります。
どこかで講習会など開かれている方はと探しましたが、みつかりませんでした。
腰を立てることは、いいことのようです。
それがなんで出来ないのか、妙に悔しい思いがしました。
そのころ私は同時に、整体創始者である野口晴哉先生の言葉、
『人は完全独立した個人にならないと、本当の意味で治ったことにはならない』
『真の自己中心たれ』
の意味を探していました。
これを探していた経路についてはここに書いた通りです。https://chiryositutakaku.com/71/
そして石原加受子先生が主宰されるオールイズワンのセミナーに参加したときのこと。
緊張した立ち姿勢だと、相手にも緊張が伝染する。そのために自分が楽な姿勢でいることが大事、ということで、楽な立ち方になるボディエクササイズを講義された。
( あれ? )
エクササイズを終えると、なんと体全体が筒状になっている状態です。
そして、なんと、反り腰になっていないのです!
いや、反ってはいましたが、無駄に反っていない状態です。
腰は反っていて良かったのだと思いました。
ほんの、ちょっと、立て気味にすれば良かったのです。
( 今まで腰を立て過ぎていたんだ )
顎も自然に引けています。
私は感動しました。
ずっとその姿勢を味わいました。
しばらくそうしていると、
「どうしました?」
と、笑いながら、石原先生が問いかけてきました。
観ると他の受講生は、立ち姿勢を終え、次の指示を待っている状態です。
まわりの視線に照れながらも私は、
いいエクササイズですね、と心をこめて答えました。
( これかぁ。毎日このエクササイズをやろう )
この日は、立ち方の新たな発見で頭がいっぱいで、
講義が頭に入りませんでした。
さて、毎日この立ち方をやったのですが、時間がたつと、元に戻ってしまいます。
ただ理想的な立ち方を知ったというのが大きく、いつもこの状態になるにはどうしたらいいのか、試行錯誤の毎日がつづきました。