(睡眠と健康の関係その1からのつづき)
体内時計とは、睡眠・覚醒(目がめる)をはじめとする様々な生理機能に影響を与える重要なシステムのことです。
体内時計を作っているのは哺乳類(人間も哺乳類ですよね)の場合、脳内にある視交叉上核です。この視交叉上核を破壊された動物は、規則正しい睡眠・覚醒リズムが完全になくなってしまうという実験結果があります。
さてクライアントさんが夜眠れない理由とはなんでしょうか。
睡眠は光と関係があります。
なぜかというと、それは睡眠にかかせないホルモン・メラトニンが関係しているからです。
メラトニンは、夜に分泌され、眠りを促すホルモンのことで脳内にある松果体で生成されます。
生成されるには条件があり、起床中に2500ルクス以上の光を浴びる必要があると言われています。
つまり、
日中に強い光を浴びていれば、夜はよく眠れるということです。
(ちなみにメラトニンは、アメリカでは栄養補助食品サプリメントとして販売していて誰でも気軽に買うことができます。)
メラトニンが作用されるまでの経路は次のとおりです。
光の情報→網膜視床下部→視交叉上核→松果体→メラトニンが夜分泌される
網膜視床下部の部分で、光と色を識別してヒトは覚醒しているんです。 くどいようですが、ヒトは強い光を浴びると、目がさめたようになります。
強い光の色は白です。
夜に強い光を見ると、ヒトは日中だと勘違いするということです。
つまり眠らなくてもいいように錯覚してしまうんですね。
夜の強い光といえばコンビニ。
クライアントさんは、夜コンビニにお菓子を買いに行くのが習慣になっていて、
なおかつ雑誌を立ち読みするそうです。
立ち読みをすれば、10分は過ぎるでしょう。
これでは眠るどころか、『さあ、これから活動しよう!』というふうに体が勘違いしてしまいます。興奮し、交感神経が優位となり眠れなくなります。
真夜中に強い光を浴びると、体内時計はバラバラになると最近の研究では報告されているぐらいです。
私は、クライアントさんに、以上のことを話しました。
「え? 夜コンビニに寄らないほうがいいんですか?」
「はい。体が日中と勘違いして、興奮するんです。
そして夜は白い光ではなく、暖かい色の光を浴びるようにしてください」
聞くとマンションの明かりは、白ではなくて、癒し系というか、オレンジだそうです。
この色でしたら問題ないでしょう。
さらに聞きますと、寝るギリギリまでパソコンを触っているそうですので、これも、辛いと思いますがやめるように伝えました。
とにかく夜強い光を浴びないこと。これだけで寝るのが楽になります。
それからクライアントさんは夜コンビニに行かないようにしたそうですが、
長年の習慣から、なかなか変えることは難しく、週に3回は行ってしまうそうです。
いままでの習慣を変えるのは並大抵のことではありません。
潜在意識は習慣を変えようとすると、ブレーキをかけるそうです。
今まで安全に生活してきたので別に変える必要ないじゃないか、ということらしいのです。
ダイエットが成功しないのはこれが原因らしいといわれています。
また日本人は古来から飢饉とか自然災害に苦しめられ、年に1回しか収穫できない、つまり失敗を許されない米を主食とする生活をしてきたので、とても慎重なDNAが受け継がれている、という人もいるぐらいです。
そこで私は、コンビニに足が向かいそうになったら、自宅を思い浮かべガッツポーズをとるようにすすめました。
整体なのに、おかしなことを言う人だなと思う方がいるかと思いますが、これには理由があります。
(つづく)健康と睡眠の関係その3へ!
参考資料・プレスリリース独立行政法人 理化学研究所
↓↓応援クリックありがとうございます! 応援されると、やはりうれしいです。